
国(厚生労働省でも可)や歯科医師会は、80歳でも20本の歯をもとう、というキャンペーンを行っていますが、これも、残っている歯が多い人ほど、認知症がすくなく、長生きをしている人が多いというエビデンスがあるからです。
そして、かつては虫歯が、最近は歯周病が歯を失う大きな原因といわれています。歯周病は、単に「歯の病気だけ」ではありません。歯周病は慢性の炎症であり全身の血管を傷つけ,生活習慣病と深くかかわっていることがわかってきました。特に糖尿病との関係は深く、日本糖尿病学会は、糖尿病の第6番目の合併症と位置付けています。血糖コントロールが悪いと、歯周病になりやすいのです。一方、放置しておくと糖尿病になる危険が高まります。
このように「歯周病」と「糖尿病」は切っても切れない関係にあるのです。糖尿病の専門医は、糖尿病と診断した時から歯科医を受診することを勧めます。また、歯科医は歯周病が見つかったら、糖尿病がないか血糖値を調べます。歯科医と糖尿病医の連携を緊密にすることによって、この両者のさきにある、心血管疾患(狭心症、心筋梗塞、脳卒中など)にならないように協力体制を取るのです。
「東京オペラシティ歯科」の石井宏明先生は、わたしが信頼できるパートナーです。糖尿病で歯の具合の悪い方、歯周病で糖尿病の方、あるいは家系に糖尿病がある方は、一度、受診されたらいかがでしょう。
田嶼 尚子 |